沿って, smartwatches 08/04/2023

エージェンシー勢は、いかに メタバース へ適応しているか? : 競争力保持に向け、戦略の調整に励む

2022年、ブランド勢が各々のメタバース活動を加速させるなか、エージェンシー勢は来るべきバーチャル世界で競争力を保持するべく、戦略の調整に余念がない。このところ、ロブロックス(Roblox)やフォートナイト(Fortnite)といったプロトメタバースプラットフォームは、米通信大手AT&Tや米アパレル大手ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)といったブランドのバーチャル活動で溢れかえっている。ブランド名を冠するこうしたスペースの構築は、しばしばインゲームデペロッパースタジオが手がけている。その大半は、結果的に参入することになったスタジオだ。「当初はたいていフォートナイトのデベロッパー、エピック・ゲームズ(Epic Games)から話をもらっていて、そこからさまざまなブランドとの接点が生まれた」と、フォートナイトのスタジオ、アトラス・クリエイティヴ(Atlas Creative)のCEOマイケル・ヘリンガー氏は語る。現在、後者の顧客には、韓国の電気通信大手LG、米パソコン大手デル(Dell)のハードウェア子会社Alienware(エイリアンウェア)、米プロバスケットボールリーグNBAなどがいる。「我々のビジネスモデルは現在、ふたつに大別される──エピック・ゲームズブランドのものと、第三者のものだ」。こうしたインゲームスタジオは、端的に言えば、メタバースエージェンシーとして機能しており、物理世界における従来のエージェンシーとほぼ同様に、ブランド勢によるバーチャル活動の計画/実施を担っている。いや、メタバースのせいで、従来のエージェンシーが完全に後塵を拝している、というわけではない──たとえば、アトラス・クリエイティヴが手がけるLGの場合、計画自体は後者のインハウスエージェンシーが担っている──が、NASCAR(全米自動車競争協会)による最近のロブロックス進出といった活動の計画/実施は、エージェンシーの力を借りず、デペロッパーが単独で行なっている。NASCARが知的財産およびビジュアルアセットを提供し、デペロッパースタジオのバディモ(Badimo)がそれらをロブロックスのゲーム「ジェイルブレイク(Jailbreak)」に組み込んだ。以上だ──エージェンシーが首を突っ込む余地はない。実際、こうしたインゲームスタジオの登場と、それに伴う彼らとブランド勢とのパートナー関係は、従来のエージェンシー勢にとって脅威となっている。「どのエージェンシーにも、この新たなスペースは無視できないと思う」と、eスポーツ/ゲーミングコンサルタント会社およびデータプラットフォームであるジーアイキュー(GEEIQ)のCEO、チャールズ・ハンブロ氏は話す。「君も覚えているとおり、90年代には印刷広告からの転換があった。突如ソーシャルメディアが現れて、我々は皆『こいつは困った、ソーシャルメディア用の戦略が要るぞ』となった。それと同じだよ、私が知るブランドもエージェンシーも、多くは当時の様子を引き合いに出し、我々が印刷からソーシャルメディアに移行したときと同様の気分だと言っている。あの時も、突然、まったく新たな世界を学ぶ必要が生じたんだ」。

エージェンシー勢は、いかに メタバース へ適応しているか? : 競争力保持に向け、戦略の調整に励む

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